オーストラリアからの便り~シネイドの日本語スピーチ~

みなさん こんばんは!

事務局からうれしいお便りが届きましたので掲載します。

2011年度、尾三支部に受け入れたシネイド(秋年間生・オーストラリア・尾道商業高校)からうれしい連絡が入りました。
キャンベラで行われた国際交流基金主催の「第44回日本語弁論大会」で、みごと2位を獲得したそうです。これはキャンベラの高校生・大学生・社会人が参加できる大会で、今回は20名ほどの参加だったとのこと。もらった賞金で、日本語のテキストを買い、日本語能力試験N1に挑戦したいと喜びを語っていました。
本人の許可を得て、スピーチの原稿を掲載します。

外国語教育    
                
 オーストラリア国立大学 シネイド・マカラック

私たちは国際時代に生きています。
簡単に外国に行くことができるのに、オーストラリア人はなぜそれらの国の言葉を学ぶことを重要視しないのでしょうか。
その理由の一つは、地理的にオーストラリアはほかの国と離れていて、言語を学ぶ必要はないと思う人が多いからではないかと思います。
英語圏の経済や文化的な影響が広がって、世界中の人々はいろいろな目的で英語を学ばなくてはなりません。
逆に、英語の母語話者は外国語を学ばないで済みます。
それは非常に残念なことだと私はおもいます。
外国語を学ぶことによって外国の文化も体験できますし、自分の人生の見方も変わるでしょう。幼い子供にとってはほかの国や人について好奇心をそそられ、国際理解にもつながります。
母語をよりわかりやすくする場合もあります。それに、人間関係やコミュニケーションの練習も安全な環境でできます。

外国語を学ぶことによって脳のチャネルが開かれるという話はよく聞きますが、それ以上に外国語教育の価値はたくさんあると私は考えています。
子供はある年齢をこえると、発音などが難しくなって、言語の勉強がなかなか進まないといわれますが、子供に外国語を教える理由はほかにもたくさんあると。
私はアルバイトで小学生の日本語教師をしています。
日本語を教えているというわけです。
しかし、私がその子達にわかってほしいことは、日本語の話し方だけではありません。
言語の大切さと楽しさです。
また、外国語の文法を学ぶことによって、現在教えられていない英語の文法も理解しやすくなる場合もあります。

人々は言語でつながっています。
私は一年間日本に高校留学してきました。
世間話さえできない寂しさと無力感をのりこえて、言いたいことが伝わるうれしさを感じて、言語の本当の大切さを知ったのです。
あとで来た留学生の上達を見てとても感動しました。
みんな自分の経験してきたことや世話をしてくれるホストファミリーへの感謝を伝えようと、一生懸命日本語の勉強をしていました。
それは一生の思い出にもなり、国際交流の出発点でもあります。
ネルソンマンデラの言葉を借りたら、
「相手の知っている言葉で話しかければ、それは相手の頭に届く。相手の持っている言葉で話しかければ、それは相手の心に届く。」
それが人間関係にとってとても大切なことだと思います。

私のアルバイト先の子達が誇りを持って友達に
「こんにちは!」
とこえをかけるのを見るたびに、私はどんなうれしいことかと思います。
授業中に
「ね、先生!見て! これ、日本でしょう?」
と日本の地図を私に見せたり、親に
「『お元気ですか』はこうやっていうの!」
とうれしそうにその日の課題を教えたりするのを見るたびに、本当に国際理解のたねをもっているという気がします。
だんだん上手になっていくことをみて、世界の未来はきっと大丈夫だといつも思います。
これからもその子達に頑張ってほしいし、もっともっとオーストラリアの子供たちに外国語の勉強を続けて、国際交流を体験し続けてほしいと思っています。


シネイドは留学中もとても熱心に日本語の勉強をしていました。貴重な体験をしたからこそできるスピーチですね。
留学生やスタッフにも元気をもらえます。
シネイド、これからも頑張ってね!

うち(AFS尾三支部)に来とった留学生がこんなことしょうる。
すごいね。
受け入れた生徒や、帰国生。支部にかかわったすべての生徒は、やはりかわいいもの。
いつも、どこにいても応援しています。
投稿ありがとうございました。みなさまからの情報お待ちしています。

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